2023年12月20日
先日東京で行われたリノベーションオブザイヤー2023の授賞式に参加してきました。残念ながら受賞とはなりませんでしたがコロナ禍を経て、多様な考え方がリノベーションにも反映されてきているんだなぁと感じた授賞式でした。
◆リノベーションオブザイヤー総合グランプリはこちら。https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html
話は変わって、その際に宿泊した場所がとても素敵だったのでご紹介したいと思います。
私が今回宿泊先に選んだのは、東京都台東区谷中にある”HAGISOのhanare”です。もともとは芸大生のアトリエ兼シェアハウスとして使われていた”萩荘”という築68年の木造アパートを約10年前に文化複合施設にリノベーションされた場所です。
2階に宿の受付があり、実際宿泊する場所はこの場所から徒歩1~2分の別棟です。当時使用していたレトロな家具なども転用してあったり、リノベならではの空間が広がっています。
こちらのhanareも元々は木造の 水廻り共同のアパートです。外観の意匠は変わっても趣のある佇まいです。私は4.5畳のお部屋に宿泊しました。TVなどの設備はなく、布団とアメニティ、照明があるだけのシンプルさ。建物内には個室が5部屋と玄関ホールに各部屋専用のトイレ、共同のシャワールームと洗面がありました。外国の方も多いためか洗面の高さが少し高めに設定されていたり、設備もオーバーヘッドシャワーだったり、細かい部分に配慮がなされている印象でした。
リノベーションと言えば建物ばかりに気を取られますが、この場所に泊まった理由はほかにもあります。それは”まちに泊まろう!”というコンセプトのもとその建物に泊まるということではなく、谷中という町全体で一つの大きなホテルと見立てることで地域を巻き込んで作られたホテルということに興味を持ったからです。
例えばお風呂は地域にある銭湯で地元の人たちとの交流を楽しみ、食事は地域にある飲食店で一杯飲みながらおいしい食事をし、地域にある商店街でお土産を買う。今回はそれがとても心地よく感じ、人の温かさやこのエリアならではの特別感を味わうことが出来ました。同時に単にリノベーションといえど様々な考え方があることにも気づかされました。たくさんの刺激を受けて帰ってきた東京出張、この経験を活かして今後の仕事にも反映させていきたいと思っています。