平成18年2月、スマートワンデザインは小さく始動した。

 

過去に戸建やマンションの建築に関わる中で、住まいのあり方について、

なんとなく違和感を感じていたころ、当時、東京や大阪など大都市圏では、

リノベーションが取り上げられ始めていた。

 

ほとんどの人が一生に一度の住まいなのに、人から与えられた建売住宅や

分譲マンションのような画一的な住まいでよいのだろうか?

予算をかけて注文住宅で建てられるのであれば別であるが、

マンションで言えば、上下階のお宅と間取りは同じ、下手すると床や建具の色も同じ。

それって、賃貸と何が違うの?

分譲マンションのチラシで売り文句でよく使われる「家賃と同額の返済額で買えます!」ってやつ。

確かにそうなんだろうけど、今まで家主さんに払っていたお金が、銀行に変わるだけで、住まいは賃貸同様に自分の思いと関係なく作られた住まいに住むことになる。

だったら、わざわざ生命保険までかけて、家を買わなくてもいんじゃない?って思う。

 

新築マンションを否定するわけではない。立地や広さ、価格だけを条件に間取りや内装はなんでも可の人、

とりあえず、きれいな新築!に住みたい人には向いていると思う。

 

改めて問う。

自分の思いが

多少でも反映されている家 と 何も反映されていない家 どちらがいい?

 

リノベーションがいいか、新築がいいかを問うているわけでなく、自分の思いがどうかということだが、

ほとんどの人は、自分の思いが反映されている家がいいと思っているはず。

 

昔、自分が確か小学生の頃、裕福な家庭でもなかったのもあるかしれないが、

父親が自宅(戸建)の浴室を作った。モルタルを練り、タイルを貼り、浴槽を据え付け、

今も覚えているが、「タイルは何色がいい?」

と聞かれ、深く考えずにただかっこいいという理由で「黒」と答えた。さずがに真っ黒いタイルを壁全面に貼ると

真っ暗になるので、茶色に白いボーダータイルが貼られ、浴室は完成した。

 

父の職業は消防士。今思えば、素人でそこまで作るのは、すごいことである。

後に母が自営でしていたお店の2階倉庫に8帖くらいの部屋まで作った。

もともとの家にしても、作った浴室や部屋にしても雑誌に掲載されるようなものではない。

 

しかし、自分の思いが詰まっているので大切に使われ、きれいにしていた記憶がある。

 

ここまで自分できる人は少ないと思うが、「自分の思い」は頭の中で空想できるはず。

 

リノベーションなら、注文住宅ほどのお金をかけずとも住まいを所有できる。

 

お客様の思いを実現するお手伝いをし、永く大切に住まいを使ってもらえるような

仕事をしたいと思い、この「リノベーション」を仕事としてスタートした。

 

代表 カリヤ